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北風と太陽の話が好き

太陽「おいー、なにしてんのーこんなとこでさー」

北風「あ、太陽さん。お久しぶりです」

太陽「”ア、タイヨーサンオヒサシブリデスー”じゃないよォーこら北風ぉいいー!!」

北風「すいません」

太陽「いやいやいや謝んなくてもいいんだけどさーなーにーこんなところでさー」

北風「まぁ例年通り、寒の戻りやってます。太陽さんこそどうしたんですか」

太陽「どうしたって言われても困っちゃうんだけどさー!!ははっ!はっ、あの、まぁさーなんか北風頑張ってるらしーじゃん」

北風「えっ?」

太陽「北風頑張ってるらしいじゃん」

北風「どういうことですか」

太陽「どうもこうもないよー!なんか北風、超頑張ってるらしいじゃんっつってさ、頑張ってんなーとか思ってね!!俺!」

北風「はい」

太陽「いやさぁ、俺も負けてらんないなぁ!!とか思ったわけさ!!」

北風「はい」

太陽「だからさっ!おい!!っっおーい!」

北風「なんですか」

太陽「勝負すっぞ!って!この流れ勝負っしょ!!」

北風「(鼻をすする)」

太陽「ほれ!あの、あすこにおられますらるる旅人!!彼の、服を脱がした方が勝ち!とゆーことで!!」

北風「わかりました」


15分前

旅人「それはちょっと、、僕には、、」

太陽「いやいやお前の都合はどうだっていいから。別に、自然だし、ただ俺のターンで服脱げばオールOKだから。な?」

旅人「はぁぁ、、でもそのやり方、北風さんの分が悪すぎませんか、、」

太陽「馬鹿だなお前分が悪いから良いんだろが。はっ!!!ふはっっ!へぃっそれとも何?フェアな勝負で力比べしたいと俺が思ってるとでも思うの?フェアな勝負で力比べしたいと俺が思ってるとでも思う」

旅人「すいません」

太陽「(小声)…お前だって寒いの嫌いだろ?」

旅人「はい」

太陽「…寒くて風強いの嫌いだろ?」

旅人「はい」

太陽「じゃあ俺が北風ボコボコにしてやんよ」

旅人「いやでも北風さんは」

太陽「あなたの食べるお野菜は」

旅人「光合成で育ちます」


むかし、北風と、太陽が、おりました。

北風と太陽は、どちらの方が、力が強いか争っていました。

そして、2人は、道を歩いている旅人の服を脱がしたものが、勝ちと決めました。

まずは北風の番。

北風は旅人めがけて、激しく吹きました。

すると、旅人は、飛ばされないように、必死で服をおさえたのです。

北風は、もっともっと激しく吹きました。

しかし、旅人は、もっともっと寒がってしまい、さらに着こんでしまいました。

とうとう、北風は疲れ切ってしまいます。

もともと、疲れ切ってはいたのですが。

つぎは太陽の番です。

太陽は、北風とはちがって、じわじわ、と旅人をてらしました。

すると、旅人は、服を脱ぎかけましたが、かぶりを振り「ちょっと溶けたくらいがうまいんだ」となどと呟きながらパルムをほおばりました。

太陽は、もっと強くてらします。

旅人は、「やっぱりフィンランド式だよな」と、その熱さを、苦しみの後訪れる快楽への期待で今をやり過ごすという、どだい子供にはわからない精神帯域でむしろ楽しんでいるようです。そして太陽を睨みつけ「今年も夏がやってくるんですね」と黒い擬似革の日記にボールペンで書き付けました。

太陽は、かなしくて、夕焼けになってしまいました。

オレンジ色の光が旅人の首筋をてらすと、世界中の どかたしごと を集めたようでした。


旅人は家にかえって風呂をわかし、服を脱いで湯船につかりました。

外では北風がびゅうびゅう吹いています。

4月なのにまだ寒いなんて、おかしいね。

おしまい

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